BMW X5 35i E70 エンジン不調 高圧燃料ポンプ交換
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BMW X5 35i E70
エンジンチェックランプ点灯、エンジン不調にてご入庫。
走行中にチェックランプが点灯し
突然エンジンが吹けなくなったとの事。
診断機を繋いでチェックしていきます。
直列6気筒ターボエンジンですが
ほとんどすべてのシリンダーに
ミスファイヤ(失火)が記録されています。
他にも
燃料高圧システムの圧力低下が入っています。
複数シリンダーにミスファイヤがある場合
統括されている箇所に原因がある場合が多いです。
燃料供給システムの故障を疑い点検していきます。
このN55エンジンは直噴エンジンなので
低圧側と高圧側の2つの燃料ポンプを備えています。
低圧燃料ポンプはリアシート下に設置されています。
電源供給に異常なし。
燃料圧力をテストします。5~7barが基準値。
基準値内の6barです。
低圧燃料ポンプは正常に動いている様子。
続いて高圧側を点検します。
高圧ポンプで5bar程度の燃料圧力を最大200barまで上昇させます。
アイドリングで約50bar。
現在は正常に動いているようですが
高圧側での故障発生時のデータを見ると
1600rpmで走行中に8barしか出ていませんでした。
圧力上昇がほぼ無かったという状態です。
低圧ポンプが正常な点も踏まえて
高圧ポンプの故障と判断しました。
交換を進めていきます。
インテークマニホールドの内側に高圧ポンプは着いています。
左が旧部品、右が新品です。
酷い故障のケースでは先端が折れているものもあります。
交換後は数値も安定
ロードテストを繰り返し異常がないことを確認し
作業完了となります。
トラブルの多い高圧燃料ポンプですが
突然動かなくなるケースは少なく
実は故障の前兆があったりします。
「朝一、クランキングが長い。エンジンがかかりにくい。」
「アクセルを踏んでもエンジンが吹けなかった。」
このような不調は高圧ポンプ故障の前兆の可能性があります。
初期症状からでも故障メモリーが残る場合もあります。
何か少しでも異変に気づかれたら、お早めにご相談ください。