MINI R60 CROSSOVER COOPER D・エンジン不調・オイルの減りが早い
詳細解説はYouTube公開中!
MINI R60 CROSSOVER COOPEER D
・エンジンチェックランプ点灯
・エンジン不調
・オイルの減りが早い
これらの症状で東京都からご来店です。
早速診断から始めます。
・DPF(微粒子フィルター)
・EGR流量不足
煤で経路がつまって流れが悪くなっている可能性が高いメモリーです。
実はこれ、このR60/R61ディーゼル車、特有の【持病】です。
R60ディーゼル車の持病として ''深刻なオイル消費'' があります。
元々の経年でのインテークの煤の堆積による悪循環に加えて
1000kmで1~2Lという深刻なオイル消費が重なってきます。
※オイル消費の原因についてはのちほど
オイルが燃焼する事でさらに煤の発生量が爆上がりします。
多量発生する煤の量に耐えきれずDPFが詰まる傾向に。
さらに行き場のなくなった煤はEGRを介してインテークに廻るので..
EGRクーラー内部
インテークマニホールド内部
このように閉塞しきってしまいます。
分解・洗浄していきます。
R60の分解はなかなか手間の多い作業です。
マニホールドに堆積した煤
EGR~フレッシュエアの合流点
スワールフラップ周辺
掻き出し作業の後、超音波洗浄していきます。
漬け込みの間にインテークポートを清掃していきます。
バルブの傘にも大量のカーボンが付着しています。
下処理の後、ウォルナットブラスター仕上げ。
クルミの殻を使用したメディアをぶつけてカーボンを取り除きます。
万が一燃焼室内に入り込んでも燃焼してしまうので無害という代物です。
海外ではメジャーな手法でBMW/MINIでも純正SSTとして採用しています。
処理後..
バッチリ綺麗になりました。
DPF側はクリーニングで処置します。
LIQUIMOLY DPFクリーニング
各パーツの洗浄が終わりました。
固着していたEGRクーラーのカーボンもご覧の通りです。
新品に交換しなくてもここまで改善ができます。
すべて組付け後、DPFを再生モードにセットして
ロードテストを兼ねたDPF燃焼走行。
作業後は高かった排ガス背圧が規定値内に改善。
アイドリング時
4000rpm時
高回転域では排ガス背圧の改善が特に如実に表れます。
DPFの詰まりがしっかり解消した事が確認できるデータです。
アクセル開度に対してのレスポンスや
エンジン回転も非常にスムーズに改善しました。
さて、このR60/R61の横置きN47エンジンで多発する
深刻なオイル消費の主原因についてですが
・バルブステムシール(オイル下がり)
・ピストンリング(オイル上がり)
・ターボチャージャー(オイル消費)
などが考えられます。どれもかなりの費用と時間を要するものです。
オイル消費原因の完璧な特定は非常に難しく
・実際に作業し経過観察してみないと確定ができない
・そもそも数個所でオイル消費が起きている可能性
・修理に伴う様々なリスク
(横置きN47エンジンは焼付きやタイミングチェーン破断など)
等を考慮すると..
新品エンジンに載せ替える以外に最善の方法はないような気がします。
またR60の車齢に対する今後のメンテナンス(足廻り・ミッション等)
を考慮すると、延命処置として今回のようなクリーニングを施工して
オイル消費は添加剤とこまめな補充で補っていく事をオススメしています。