BMW F10 523d エアコン風が出ない
BMW F10 523d
エアコンの風がまったく出ないとのご相談で急遽お預かり。
真冬にこの症状は相当キツいですよね。
まずは症状確認から。
お~、全く風が出る気配がなし。
風量をMAXに。
こちらも無反応。
ボタンを押す音だけがただ車内に響きます。
先日まで調子が悪いけどなんとか風は出ていたそうですが。
車両システム診断
ブロワファイナルステージの断線の入力あり。
ファイナルステージは簡単に言うと
ブロワモーターにかかる可変抵抗です。
ブロアモーターの回転数₌風量をコントロールします。
とりあえず状況を見るためにモノを外します。
右ハンドル車のブロワーはこの辺にいます。
カバーを外すと..
エアの導入口に大穴が開いちゃってますね。
このスポンジフィルターが劣化でボロボロになって
やがて朽ち果て粉々になりこの状態になります。
F1x系BMWの定番トラブルのひとつです。
穴が開いてしまうと落ち葉など異物が入り放題なので
これがまた余計なトラブルを生み出します。
大穴のおかげでフィルターが無いも同然なので
エア導入口付近はもうホコリまみれになってます。
で、肝心の風が出ない症状。
これは測定によりファイナルステージの内部断線によって
電圧がブロワモーター側に出力されていない事が原因と判明。
ファイナルステージは交換決定なんですが..
ブロワモーターの中にも先ほどのスポンジ粉が大量に侵入します。
これが原因によって
・接触不良で熱が発生してブラシ部が溶ける
・作動抵抗が大きくなり結局またファイナルステージに負荷がかかる
など、ブロワモーターの寿命や故障ケースも非常~に多いので
今回はファイナルステージ/ブロワモーターの交換に決定!
※基本的に同時交換がベストです!
外したブロワモーターを分解してみます。
ブラシとローターの摩耗も進んでるんですが
やはりスポンジ粉がバラバラと出てきます。
このタイミングでの交換がベストでした。
部品は純正部品製造元のOEMを使用。
信頼性を保ちつつ、費用を抑えることが出来ます。
粗悪な海外製社外部品や純正を装ったパチモノまで多く流通しており
安心して使って頂くための部品選択はかなり大事です。
患部を交換しても周りが汚れたままではアレなので
しっかり清掃してから組付けていきます。
清掃前
清掃後
大穴の開いたカバーも新品に。
フィルター部分の材質が対策され変更されてますね。
そんなこんなで無事に症状も改善。
ステイタスの変化もバッチリOKです。
大穴の点検はクリップ三か所を外すだけで簡単にできるので
F1x系ユーザーの方はチェックしてみるのも良いかと思います。
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