BMW F10 523i オイル漏れ修理 雨漏れ予防
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BMW F10 523i
シーズン点検で入庫しました。
モデル途中から4気筒ターボに切り替わる前の
初期のみに設定があった直列6気筒NAエンジン搭載のモデルです。
未だに根強い人気がありますね。
エンジンから煙が出るとのご用命アリ。
ヘッドカバーのパッキンから垂れています。
もう一か所。
エンジンとオイルフィルターハウジング間。
どちらも数年前に交換歴があるようです。
なぜオイル漏れがまた再発するのか?
状況を探るためひとまずバラしていきます。
外れました。
今回はバルブカバーASSYで交換していきます。
理由はふたつあります!
1つ目。
経年による劣化で樹脂製カバーはクラック(亀裂)
が発生するケースがあります。
下の写真はその実例です。
せっかく他のオイル漏れを治してもクラックからオイル漏れ発生や
2次的にエアを吸い込んでエンジン不調を招きます。
2つ目。
赤丸がクランクケース内の圧力を調整する
クランクケースベンチレーションと呼ばれる機構です。
ブローバイガスに含まれるオイルと空気をココでおおまかに分離して
・オイルはエンジン側に
・空気はインテークマニホールド側に
戻す役割があります。
これも経年によりシステムが詰まってくる傾向があります。
空気のラインが詰まる事で、行き場のなくなったガスで
クランクケース内の圧力がどんどん上昇します。
するとパッキンに対して内側から外へ外へ逃げようとする圧力が増大します。
結果として耐え切れなくなったパッキンからオイルが噴き出します。
パッキンは過去に交換されたようなのでまだ柔らかく弾力があります。
通常ここまでのオイル漏れがある車両のパッキンは
カチカチに経年劣化して硬化しているパターンがほとんどです。
こうしたオイル漏れの再発はクランクケースの内圧異常が原因です。
フィルターハウジングのパッキンも同様にまだ柔らかいです。
よくあるケースでは下の写真のようにカチカチに硬化しちゃってますが..
こちらも内圧上昇が原因とみられます。
締め付け手順を確認しながら組付。
バルブトロニックの再調整などを行い
ロードテストし異常がない事を確認!
作業のついでに雨漏れ予防策も行います。
こちらの車両は右ハンドル。
問題部分のカバーを外しています。
助手席側に黄色いメクラ蓋で閉じられた穴があります。
左ハンドル車用のステアリングシャフトが通るサービスホールです。
ここに積年で枯れ葉や土砂が流れ込みやすいです。
こちらの車両も既に水が溜まって池ができていた跡があります。
限界を超えると車内に雨水が流れ出ます。
助手席側足元にはステアリングのECUが鎮座しており
水没してしまうとそれはもう大きな痛手です。
対策します!
水が溜まって池にならなければ雨漏れは防げます。
土砂や雨水の逃げ道を作ってあげることで被害を防止。
F0X系 F1X系
・5シリーズ
・6シリーズ
・7シリーズ
右ハンドル車はこの雨漏れケースに該当します。
早めの対策がおすすめです。
未然に防げるものに対しては事前にジャブを打っておきましょう。